2015 6/19〜6/21 せんがわ劇場
第一回公演
『忘るな草』
掌からこぼれ落ちた砂は戻らない。
「『ひろのぶ』を探して欲しい」
僕を「医者」と勘違いしている母が口にしたのは、聞いた事のない名前だった。
人はきっと、みんな寂しい。
だから、探したいと思う。
小さくなったあなたの肩越しの、向こうに見える景色は__
僕らの学校には未来のロボットと暮らす同級生が居た。
そいつらの周りはいつでも不思議に充ちていて、いつでも冒険にあふれていた。
だけどそれはそいつらの物語。
僕らはいつだって蚊帳の外で、モブで、引き立て役だった。
そして15年後、未来のロボットは僕らに手紙を出してきた。
主人公ではない僕らに。
だから、少しだけ思ってしまった。
始まるのではないかと、やっと、僕らの物語が。
『ノット・マイ・ヒーローズ』
2015 11/11〜11/15 シアターシャイン
第二回公演
誰かが純真を貫こうとしていることは知っている。
誰かが裏切ろうとしていることは知っている。
みんなわがままだ。私は振り回されてばっかりだ。
だけど、知っている。私には何もない。貫こうとしているものが何もない。
私以外、みんな純真、だから、受け入れよう。
この仲間たちが選ぶ答えを、私は信じよう。
『私以外、みんな純真』
2016 3/15〜3/20 阿佐ヶ谷アルシェ
第三回公演
いつかの彼方、いつかの未来。きっとその人はやってくる――。
老人が一人、海に身を投げた。
海の向こう側に焦がれ、海のこちら側から毎日呼びかけていた老人。
彼は、空があまりにも綺麗な事に気付き、それから崖から飛び降りた。
でも、これはこのお話の終わりの一行。
最後の一行の意味を知る為には、最初の一行から読まなくてはいけない。
それはまだ、あの子が海の向こう側で、たった独りで本を読んでいた時のお話。
『遠海のカナタヘ』
2016 9/9〜9/11 日暮里 dー倉庫
第四回公演
通信販売会社「ウェルネス堀田」の事務所に、一人の男がバイトの面接にやってきた。
彼の採用をきっかけに、言葉をめぐる戦いが始まる。
出社拒否、仕事放棄、別れ、日々を何も考えずに口にしていた言葉への苛立ち。
そして殺意・・・。